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スパイダーマン・ノーウェイホームネタバレ感想

スパイダーマンノーウェイホームを見てきました。本当にとてもいい映画でした。

中身は、おぞましいくらいのファンサービス。ひきつるほどスパイマーマンエンドゲーム。今回のようなスパイダーマン作品は人が妄想することはあってもまさか映像化などするとは思えない。そんな映画になっていたんではないでしょうか。「人は」と言いましたが、当然私もそんな妄想をしていた一人です。

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以下はネタバレ感想です。興奮さめやらじなので時系列順から語ってみたいと思います。

正体ばれ~過去ヴィラン接敵~Drストレンジ戦闘

いつものトムホスパイダーマンよろしくまずはコメディ調で軽快な感じで始まりましたが、彼らの大切な友人達のMITの不合格理由にスパイダーマンの関係者というものがあがってきたあたりから、今回の苦難というのはなかなかのものなのだというのが伝わってきました。その後の展開もそうですが、今までのトムホピーターにおいては彼ら仲間や身内が辛い目にあうということはなかったので、今回の苦難は少し違うのだという気配を強く感じました。

今回の元凶はストレンジの魔術、CMでもさんざん見てきたあの魔術に頼ってしまったことへの説得力は納得できるものでした。危ないとわかっている魔術を試してみせるところや、その後のピーターへのあたりを含めてストレンジのらしさがすごいでている気がしました。

ピーターがヴィラン達すら救いたいと願ったのはメイおばさんの後押しがあってこそですが、過去作をみてきた観客としてもドクターオクトパスを救ってほしいと願ってやまないので自然にピーターを応援する気持ちがわいてきました。

それにトムホピーターでやっぱり楽しいのがアクションです。ドクターオクトパスはもちろん相変わらずのドクターストレンジの戦い方のえげつなさ、ビジュアルの美しさ、などもうすっかり引き込まれてしまいました。

あとデアデビルでてきましたが、ファンサービスでしょうか。まだ1話しか見れてないのですが彼はキャラクターもたっていますし、今後に少し期待してしまいます。

ヴィラン暴走

ヴィランを治療する試みはやはりグリーンゴブリンを筆頭に瓦解。メイおばさんの施設での彼の手癖の悪さは彼の精神がゴブリンであることの伏線でしたね。

どのシーンだったかはっきりと思い出せないのですが、ウィレムデフォーの存在感、表情に凄みがあって、この瓦解時点ですでにウィレムデフォーのグリーンゴブリンの圧倒的なヴィラン感がありました。ドクターオクトパスにしては、過去作をみていない人でもその強さにあわせて、親しみをもてていたでしょうし。一つの映画の主人公といってもいいものであった一人一人のヴィラン達が、俳優さん達のおかげでそれぞれ映えていました。リザードマンやサンドマンはずっとあのモードですので少し色物感もありましたが。

そして、きてしまったメイおばさんの死と、ここできたかというあの台詞。スパイダーマンのテーマ、MARVEL作品のテーマ、ヒーローのテーマ、と言っていいあの言葉。スパイダーマンに失望するメディア、市民と、そしてあれだけの強敵、こんなにきつい逆境にあたってしまって、テレビを前に呆然自失のトムホピーターのシーン。これは絶対に彼とMJとネッドだけでは勝てないだろうと、この時スパイダーマン達は間違いなくやってくる、と個人的にも確信した瞬間でした。

スパイダーマンヒーロー集結、作戦会議

その後は夢のような展開でした。あっさりリングを扱えてしまったネッドと、たいそうな音楽もなしにさらっと登場するアンドリューピーター、続くトビーピーターも当然のようにやってきました。ここ劇場では笑いが起きてました。自分も感動するような笑えるような不思議な感覚でした。終わってしまった物語から今なお続く今の物語へ、自分と同じヒーローを救うためにやってくるなんてこんな作品今まであったでしょうか。

アンドリューは変わらず現役で、トビーはさすがに貫禄が出てきてました。三者のやりとりはコメディ調ではあるものの、恋人との関係や戦って死んだ親友の話と、話している内容もかなりつっこんだもので、それが今更になって彼らの口から聞けるというのはすごい作品だなあとしみじみしました。

決戦~エンディング

最終決戦もめちゃくちゃかっこよかったです。三者が飛ぶときに彼ら各々の印象的なポーズをみせてくれたり、ヴィランの壮絶な攻撃をかわしてみせるアクションかっこいいです。さらにさらにヴィランの超能力を治癒して会話するシーンはまた感慨深かったです。ドクターオクトパスの最後だって、彼自身今作でももちろん過去作でもかなり立っていたキャラクターで、それがすごい悲しい別れになってしまっていたので今作はライミスパイダーマン2の補完にもなってくれてました。過去作の物語を救う展開なんてことはありえないだろうと前の日記にも書いていただんですが、近いことをやってしまってます。

あとここでのスパイダーマンヴィランだったらグリーンゴブリンを筆頭に、何かのシーンやカットにおいて、かっこよさを感じるものが多かったです。ストレンジとトムホピーターのやりとりにおけるストレンジの表情ややりとりもヒーローとしての年季を感じるクールな顔をみせてくれました。

エンディングはひたすら寂しいですが、幼年期の終わりというか、過去作トビーの第二作目やアンドリューの二作目と同じようなスパイダーマンならではの重さみたいなものがでてきて終わりとなりました。新三部作の作成も決定していますし、トムホスパイダーマンはこれからという感じですね。

総括をします

先にいまひとつだったところを言っておくと、今作におけるヴィラン側それぞれが何かテーマをもってきているかというと当然微妙でした。グリーンゴブリンがピーターに「甘い」「弱い」と道徳心を煽り、そして大切な人の命を奪うことには、トムホランドピーターが強い憎しみをもって「悪」と向き合う初めての経験で、これはヒーローとして彼が大人になることを促すしっかりとしたヴィランだったと思います。

がこの映画単体でフォーカスする必要があるのは彼ぐらいで、正直ヴィランはグリーンゴブリン一人でよかった話ではあったかなとは思いました。そしてグリーンゴブリンにあたるヴィランの話をしてあげるのが普通のまとまりのあるヒーロー映画だったのではないかと。

各々ヴィランもあっさりマルチバースを信じ、帰還後の自分の運命とやらを最初あっさり信用してしまうところも少し、ヴィランとしての強さというか強度を弱めるものになってしまっていたと感じます。ヴィランヴィランで運命など捻じ曲げてやるとばりにいきがってる様があってこそらしいといえばらしいです。

ですが、個人的にもスパイダーマンファンとしてもそんなことはどうでもよくなるくらい、枝葉の部分が嬉しかったんじゃないでしょうか。

ファンにとっても、スパイダーマンというヒーローというものが複数存在しています。自分にとってトビースパイダーマンは偉大でした。

そんな彼がまたヒーローとしてやってきた、今のヒーローと一緒になって戦っている。寂しい別れとなってしまったヴィランとやりとりをしている、というところがとてもとても感慨深いです。ブランクを経て再びコスプレしたって変わらぬ説得力と迫真の表情をみせてくれる俳優たちと、こんな映画を実現させてしまった脚本、監督、映画会社ごと感謝しています。素晴らしい映画でした。