ブラウン神父の童心を読みました。
有名なミステリー作品で、探偵小説としてはあのシャーロックホームズに並ぶ知名度だそうです。
主人公が神父で、衒学的なことを語る他、地の分では情景描写が文学作品のごとくの力の入りようで、読みづらいところが目立つ作品です。
ただ、推理についてはとても平易な言葉で、手探り感もなく駆け足で一から百まで説明していくので、読みづらいところで目が滑ってしまっても、ブラウン神父の推理を楽しむことができます。
筆が乗ったんじゃなかろうか
そして、この本の中で、ミステリの古典を読むことの楽しさというのを、また存分に再認識させてくれたのが、『折れた剣』。
鳥肌が立ちました。めちゃくちゃ巧みです。かっこよくて、悲劇で、ミステリです。個人的に、ブラウン神父で目が滑ってしまうことが多い衒学要素は、この折れた剣においては、全くありません、最初から最後まで引きつけられます。
木の葉を隠すなら森の中
ここにあるミステリのタネは、間違いなく、これまで読んだ小説やゲーム、アニメや漫画、あるいはサスペンスなドラマで映画で、数々の亜種に出会ったことのあるものの一つのパターンに違いないという確信に満ちた感覚と、そして、この話が源流でなることは疑いようもないこと、例え後からこの作品が発表されても、他のこのタネを使った作品が亜種だとするに、納得してしまうような作品なのです。
ミステリノデータベース
ミステリ要素というのは、今の時代、ミステリ小説を超えて数多に存在します。
漫画でもアニメでも、数多のミステリのトリックが引用され利用されたりし、あるいはジャンルを背負ったミステリ小説が、新しい種を生みだしたりしながら、ミステリの種のようなものを抱えた作品が生産され続けています。
そんな世にある無数のフィクションから種を接種し続け、UPDATEし続ける僕のミステリのデータベースに、INSERT文を書かれてしまった、そんな感覚です(キーボードパチパチパチパチーンメガネクイクイクイ