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攻殻機動隊SAC_2045 感想

攻殻機動隊SAC_2045の感想


『攻殻機動隊 SAC_2045』予告編 - Netflix

一気に見た。

ビジュアルについては自分はこれもありかなって思うくらいです。ただし、おじさん全般のシワや髭の表現がいまいちで渋さが足りない。つまりボーマはボーマだし、サイトーはそのままかっこいい。少佐は可愛すぎるし、バトーは良い感じでした。タチコマはもうそのままというか、このタチコマに関しては手放しで可愛いです。タチコマのビジュアルについては賛否などなく賛しかないんじゃないか。

音楽はまだ耳に慣れてないかな。序盤の銃撃戦で予告編にあるあのBGMが流れだすと、攻殻でルパンでもやるつもりなのかと不安になってしまった。正直cyber_birdとかrabbit_junkとかかかってくれるのを待ってしまう自分がいた。

そして肝心のストーリー。6話までは正直いらない回なんじゃないか。やっても2話にまとめて欲しかった。つまらないわけでもないんだけど、テーマや社会性がない2ndGigみたいになってて、すごい薄味SFアクションアニメになってました。

7話で日本きてからちょっと攻殻機動隊っぽくなって、少しずつメインストーリーの核に入っていって、社会派っぽくなってくるんだけど、ポストヒューマンって今回の敵側の概念がStandAloneComplexや個別の十八人に比べると、今一つ薄味で物足りなかった。

そんな中、11話の中盤でグッと惹きつけられました。あの攻殻の青臭さみたいなのがすごい鼻つまみたくなるくらいの激臭で香ってくる11話。StandAloneComplexでアオイがもっていたのがライ麦でしたが、今回のシリーズでは1984のようです。トグサくんが文学からページを引くとそれだけでワクワクします。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 

11話、12話とすごい良い。これによってポストヒューマンってなんなんだ、この概念によって扱われるテーマとは社会問題とはなんなんだってことが俄然気になりだす。石川がネットにダイブしながら会話するあのカットが俄然ワクワクする。さあもっとこいつを分析してくれ。昔の記事とかプロファイルとかもっと見つけてくれと。こうしてやっとグッと惹きつけられて、終わり。という1シーズン。

ネタバレですけどすごい次のシーズンが楽しみです

この作品「面白い」って心の底から思えたのって、シマムラタカシがネットリンチプログラムを使って教師への復讐を成功させた後の、「僕も空挺部隊になるよ」ってところでした。これは例えば、まどかマギカだったら、まどかが神になる決心をした場面であって、場面ではないけどAKIRAだったらアキラくんの概念、この青臭さというかスケールの大きさ。これだよねこれ。

「俺が私がお前やあいつらや学校でも会社でもなく、世界を変える」という決心こそアニメでしか描けないリアリティであり、面白さだと思う。攻殻なら、アオイにもゴーダにもクゼにもあった魂だし、今回の攻殻機動隊の敵にもそれがある。絶対面白くなるシリーズだと思う。シーズン2が楽しみで仕方ない。

ところでトグサの離婚で爆笑しました。あとバトーが目を盗まれて終わりというのも。「俺の目を盗みやがったな」ってまた叫んで銃乱射するのかとワクワクしたのですが、代わりにタチコマが笑かしてくれましたね。