0.5人月

人生と仕事が伸び悩んでるWeb系のおじさん

旅行日記②:伊豆大島に

娯楽が多すぎるから外に出るのだ

8月13日 伊豆大島で飯を食う

5つしかけたスマホのアラームの2つ目を切ったところで、目を覚ました。時刻は3時半。

歯を磨き髭をそってから、でか目のリュックに最後の荷を詰めると、チャックがしまらなくなっていた。

仕方なく、母のプリチーなトートバッグを肩にかけていくことにした。

伊豆大島への高速船で向かうために浜松町駅に向かう。集合時刻5分前につく、友人も定刻通りにやってきた。

ほどなく、ジェット船に乗り込み1時間半程度で伊豆大島の岡田港に到着した。

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着いて最初に思ったことは、思いの外店がないことだった。まだ朝の早い時間だから店が空いていない、というわけでも無い。絶対数が少ないのだ。「伊豆大島は観光地ではない」と、閑散とした街の様子がそう告げているようだった。

場所を変えれば違うのかもしれないと、ミストのような雨にさらされながら、とりあえず宿泊地の近くの港まで歩いていくことにした。

これが割と大失敗ではあった。お店などかけらもないことは検討がついていたものの、歩道の両サイドで虫が飛び交う田舎道でありながら、車の通りもそこそこあり、とても肩身の狭い道だった。

一時間以上歩き続け、汗で服をびしょびしょにぬらしながら、やっとのことで元町港に着いた。早速食事にしようと、パンフレットに必ず乗っている伊豆大島で有名な寿し光に着いた。冷房の効いた店に入ってほっとする。

注文は自分はべっこう丼を頼み。友人は握りの定食を頼んだ。


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疲れた体に酢飯が効いた。べっこう丼は、醤油と唐辛子でご飯がすすむ。散々汗を書いたあとの、瓶ビールの一杯も最高と言えた。 

次も有名店かあちゃん、で磯ラーメンを頼んだ。ここは混みすぎていて、暑すぎた。人工密度が高く、空調は扇風機だけのストイックな部屋で、ラーメンを待った。


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スープはしっかりした磯の風味、麺はしっかりスープに絡んで美味しかった。臭さにも繋がりかねない磯の風味をしっかり醤油ラーメン風味に押し留めたバランス感覚は見事。サザエもまるごと入っててオトク。ゴチ。以上レポっす。

寿司を堪能し、アイスを食べて、ストイックに磯ラーメンを食した後は、宿に向かってまた歩くことにした。

途中の海辺で、浜辺の手前のコンクリの上に休憩がてら寝っころがった。日は出ていたが、風が気持ちよかった。時折焼けるように陽射しが強くなったが、騒がしくも規則正しい波の音が眠気を誘った。友人は何やら寝るくらいの勢いだった。遠くでカップルが楽しそうに1つの浮き輪にしがみついて波に揺られていた。


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陽射しが本格的に強くなってきて寝ていられなくなると、休憩を終えて、再び歩き出した。途中、火山博物館なる場所による。

壮大な外観の割に、シュッとした内装と、しっかりした学術的な展示物。中学受験を思い出すな、などと雑な感想を2人でもらしながらてきとうに歩いていくと、火山シミュレーターなるテーマパーク的な外装の部屋を見つけた。


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部屋の中はキンキンに冷えていて、そこそこの大きさのテレビと、宇宙船モチーフの椅子がいくつも並べられていた。

肝心のその内容は、ミクロな宇宙船なるこの部屋が火山に突入していく様子が、部屋の前面にある大きなテレビに映されるというもの。シミュレーターなるこの部屋は、隕石や火山口など、重大なシーンに入ると、申し訳程度に床が揺れた。

この部屋の冷気は空調だけではない。ガラガラのシミュレーター?の中で2人、そう確信すると、火山博物館を後にした。

チェックインが迫る宿に電話をすると、宿の人が車で迎えに来てくれた。

誤算だったのは宿があまりに奥地だったこと、基本的に車なしでは出かけるところができない場所にあることだった。

宿の人が、夜はまた車を出してくれると言っくれて助かった。風呂に入り、店を予約すると、また車を出してもらって店まで向かった。

予約した店は、島の名産や、海の幸でもなんでもなく、焼肉屋だった。だが、なぜだかよくわからないが、ここで食べた焼き肉がとても美味しかった。中でも、島の唐辛子醤油でつけたホルモンは、今まで食べてきたホルモンの中で一番と言ってよかった。2人して、あまりアルコールも飲まずに6000円近く食べた。価格帯はトラジだろうか、味覚がたしかな友人が褒めていたので、旅行気分で美味しく感じたというわけでもないと思う。

帰りは歩いて宿まで帰ることにした、満腹状態で田舎の夜風にまみれるのも悪くないと思った。

仕事頑張っても、結局○○じゃん、という話をしたと思う。わかりみが深かった。とても虚無的で男子高校生的なコンテキストだと思った。話しながら、浮き輪にしがみついて波に揺られるカップルのことを思い出していた。

8月14日 サイクリングして三原山を登る

深夜、前日食べた何かがいけないと腹が叫んでいた。昨日夜に布団に吸い込まれるかのように感じた悪寒をそのままに、深夜から下痢便が加速していた。磯ラーメンか生焼けの焼き肉か。

何度かトイレで下痢便するうちに、悪寒はおさまり、朝飯を食べ終わる頃には、腸の調子は落ち着き、問題なく活動できるようになっていた。

今日の予定はサイクリングだったので、朝食を宿で取ると、島のレンタサイクル屋に向かった。

予約したマウンテンバイクを借りると、海が見える涼しく、短いサイクリングコースを走ることにした。島一周コースというのも案内にあったが、アップダウンの激しい島中を走りまわる気力はなかった。


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海風のサイクリングコースは日差しこそ強いが風が冷たく肌にあたり、涼しく感じられた。風と一緒に潮の匂いがした。

随分、心地がよかったが、それは片道だけで、帰りのコースは完全な田舎道だった。

帰りのコースは、廃墟と貸した宿泊施設や、店員が出てくる様子がない売店、誰もいないが誰かの管理する畑、サーファーのスーツの洗濯など、エロゲの背景のようなエモーショナルな風景がいくつも広がっていた。走っている最中は行きの海風の道が恋しくなったりもしたが、今思い返すとあの田舎道の景色ばかりが思い浮かぶ。あれは、自分の中の伊豆大島のイメージそのものなのかもしれない。以下の田舎道を抜けたくらいのタイミングで撮ったものであり、田舎道の道中の写真は残念ながら一つも撮っていなかった。

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さて、田舎道から引き返しながら元きた港に戻り、レンタサイクルを返し終えると、昼飯を食べて腹ごしらえをしてから、タクシーを捕まえて三原山へ向かった。

三原山の登山道は涼しく、登りを歩くことは苦痛ではなかった。

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登り切ると、火口一周コースをたどった。行きの道で幾度もすれ違った。登山客の姿は見えなくなり、いつしか前後も少し先が見えないくらいの霧に包まれていった。

不安を感じた友人が道はあっているのか、と聞いてくる。柵が続くうちは道が違うことなどない、そう言って反論した。すると、みるみる風が強くなり、前方の霧の中かすかに、倒れた柵の存在を2人同時に確認した。激しくなっていく風に晒されながら、山から転げ落ちないように、姿勢を低くして歩く。

普段味わうことのないスリルを感じた。山を舐めるなという誰かの言葉がリフレインした瞬間だった。

なんとか火山口一周コースを終えて、霧が晴れた。すると、はかったように人の姿がチラホラ見えだした。

そのまま、三原山から裏砂漠へと突入していった。裏砂漠は遠くまで平原が広がっていて、雲を身近に感じた。ここはとても良い景色だった。ここが日本なのか少しわからなくなった。


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三原山〜裏砂漠は個人的にはこの旅行の一番だった。自分が旅行に求める非日常がそこにはあった。砂漠で横たわると、働きたくないという言葉が自然に口から出てきた。そう働きたくないのだ。

この裏砂漠を通り抜けると、近くに温泉ホテルがある。そこで、露天風呂に入って汗を流した。

帰りはタクシーで港まで行ってから、ラーメンを食べた。懐かし、どさん子ラーメン、カビだらけの扇風機やゴキブリが浮いたでかい花瓶にも気にならない、焦げた餃子もサービスしてもらった。

8月15日 船で帰る

最後の日、この日は特に何もせずに船を待ち、お土産を買ったりしながら時間を潰した。

帰りの船は大型客船で13時20発。


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入ると部屋のチケットが取れてない客がそこらで毛布をしいて寝ていたが、自分達が予約した部屋は相席もなく貸切状態だった(まあ確かに、これで部屋の中に他人がいたら、何が1等なのかわからないが)

中にあった食堂で昼飯をとると、居酒屋利用の客が大勢いた。酒好きは場所を選ばない。部屋でごろ寝しながら4時間。総じて快適な船旅だった。

終えて

やはり旅行には車が必須だということ。もう少し地図て距離感を確かめる必要があるということが反省点。

車は免許こそあれ、ペーパードライバーである。講習でも受けようか考え中。