0.5人月

人生と仕事が伸び悩んでるWeb系のおじさん

アガクリひさびさ読んでん

なるほどそういう人のこういうことやってん、なミステリ

アガサクリスティーの中でも屈指の厚さの長編ミステリ。おなじみポアロが乗り込む船上で、角の立つ人間ばかりで怪しいばかりの容疑者達との長い長い会話劇が続く。カタルシスはトリックよりも人間の話にあって、こういう人がこんな犯罪おこしてしまうだろうな、と素朴に思える現実感のある描写が説得力もあって動機がやたら悲しい。本命たる殺人以外の犯罪もいくつも明るみになって、長い長いポアロと登場人物の会話劇には伏線がつまってる。

アガサ・クリスティーのうまいところがすごくよく出てる話だと思いました。図形のようにわかりやすく、それも浅いとも言い難い人のやるせない性格の部分がしっかりミステリになってる。春にして君を離れをまた読み返したくなりました。